テレビのニュースで、退職代行サービスを利用する人の数が年々増加していると報道していました。一年を通して1月、4月、7月の3か月が特に多く、その中でも1月が一番多いとのこと。
また、教職員の精神疾患による休職、退職、不祥事による懲戒免職も増加しているそうです。皆さん色々抱えているんだなと思いました。
かくいう私も職場環境が変わり、人間関係の悪化、仕事内容、立ち位置など諸々の影響で徐々に心が壊れ、逃げる前にあれこれやってみましたが、身体に支障をきたすようになり、医者の勧めもあって逃げる、即ち退職しました。
しかしながら今思えば、心が壊れ始める前にもっといろいろな角度から対策が取れたのではないかと思っています。視野が狭くなっていたのは事実です。思いつめていくと、周りが見えなくなるものですが。
ただ、ほんとに壊れてしまっては元に戻りません。大切なのは自分、自分自身です。なので、そうなる前に逃げてもいいんです。
ですが、その前に今の自分の状況を変えることができないか。短絡的に逃げる道を選んでないか。逃げずに済む方法はないか。を考えてみることが大切です。逃げるのは、最後の手段と考えて、その前に出来ることをやってみましょう。
3ステップでやります。①自分自身に問いかけよう。➡②対策を立てよう。➡③行動しよう。です。
そして、最後の手段として「逃げるが勝ち」です。よろしくお願いします。
①『自分自身に問いかけよう』
「他人から見るとちょっとしたこと」がきっかけで、何もかもが嫌になり短絡的に「辞~めた」「辞める」となっていませんか?
そこで何が嫌なの?本当に嫌なの?と自問自答してそれをノートや紙に書き出してみましょう。その時は本人にとってすごい問題でも、書き出すことで問題点を客観的に見ることができ“意外とそれほどでもなかったな”と思う事も多いです。
また、そうすることによってどうすればいいのか対策を講じることができます。
頭の中だけで考えていると、思いついたことをすぐに忘れたり、ネガティブ思考に陥って悪い事ばかり考え始めたりして自分で自分を壊しかねません。それでは本末転倒ですよね。
どんなことでもいいですよ。他人に見せるわけではないですからね。
②『対策を立てよう』
対策として全体的に共通している所は、「見方を変える。考え方を変える。」です。
幾つかの例を挙げて、それらの対策例を挙げていきます。
ⅰ)会社そのものに行きたくない、行くのが嫌。
最初から合わない会社だったら入ることはないですよね。最初はいいかなと思ったのに暫くすると、会社の嫌な所が見えてきて、そんなとこばかりに目が行き会社に行くのが嫌になる。
こんな時は、仕事は仕事、会社は給料を貰うところ。と割り切る事です。収入がないと生活に困りますからね。
その他に先輩、同僚、後輩の中に憧れの人、好きな人を作りその人に会うのを楽しみに出勤する。など会社に行く楽しみを作る。
ⅱ)会社で嫌なことがあった。色々言われた。色々された。
こんなことが毎日のように起きたとしたら辛いですよね。我慢できなくなりますよね。自分は真面目にちゃんとやっているのなら尚更です。
こんな時は、まず何があったか書き出してみましょう。
そして、そのことについて自分に原因はなかったか。解決方法はないか。自分が変えれるところはないか。などを検証してみましょう。見つけたらそこを修正していきます。
それでも特になければ、原因を作った人(人達)と距離を置いて、「人は人。自分は自分。」と開き直り、自分のやるべきことを淡々とこなしていく事です。
ⅲ)失敗しちゃった。ミスしちゃった。注意された。
会社にとって本当に大損害を与える失敗やミスは別格だけど、仕事をしている時に起きるちょっとしたミスや失敗なんかいくらでもあることです。すぐに素直に謝ってしまえば済むことですし、次から気を付ければいいんですが、それを取り返しがつかないことのように考えて苦しんでしまう。
こんな時は、考え方を変えてみることです。
「ミスや失敗をしたけど、それによって一つ知恵がついた。学ぶことができた。」と。
ミスや失敗をすることは、ダメなことではなく次に繋がる勉強が出来た事なんです。
一つのミスや失敗は一歩前進したことになるんです。
“でも、ミスは嫌だ。怒られるし落ち込むし・・・”と思う事は自然なことです。
それでは、どうすればいいかっていうと、「この程度すんでよかった。ツイてる、ツイてる。」と気が済むまで唱えることです。
そして、必要以上に自分にダメ出ししないように。
Ⅳ)どうしても合わない人、苦手な人、嫌な人がいる。顔も見たくないんだけど。
誰でも最低一人はいるんじゃないですか。よく自分のことが好きな人と嫌いな人は半々と言われます。7割好かれれば上出来と言われます。
ですから気にすることはないんです。全ての人に好かれようと思うから悩むんです。そんなことは考えないようにしましょう。
そして、そういう人や人達とは距離をおきましょう。部署替えを願い出るのもありです。
でも、出勤すればどうしても顔を合わせるし会話をしなければいけないですよね。無視するわけにもいけませんし態度にも表せません。人ってそういう事には敏感に反応しますし、察します。
こんな時は、「構えないで、自然体で、心をフランクにして人と接する」「明るく挨拶をし、明るく返事をする」これを心掛けましょう。
自分は、ちゃんと挨拶しているのに返事をしているのに反応がない。としても気にする必要はありません。
相手の気持ちなんてわかる訳ないんですから。
“あ~。今日も明るく元気に挨拶出来た。嬉しいね。”と、自分の気持ち・気分が良ければいいんです。
しかしですよ。ハラスメントをしてくる人は、別です。今はコンプライアンスの厳しい会社が多いです。すぐ会社の専門部署に連絡して対処してもらいましょう。それでも何もしてくれない会社には見切りをつけるのもありです。
③『行動しよう』
対策を考えたらそれを実行に移しましょう。初めはどうしても勇気がでないですが、少しずつでいいですよ。
一つ一つ無理しないでやっていきましょう。時間はかかるかもしれませんが、やったらやっただけ効果は出ますよ。
行動しなければ先へ進めません。
しかし、それでも「どうにもダメ!何ともならない!もう嫌っ!」となったら、次の手段として、
会社に悩み相談室や心の相談室、などの社員のメンタルをフォローする部署があれば、そこに連絡して相談する。
産業医が定期的に来るのであれば産業医に相談する。
心理カウンセラーのカウンセリングを受ける。
などの行動をしましょう。
④『逃げるが勝ち』
「3ステップをやってみた。でもダメだった。もう限界。もうダメだ。」と心の底から心の叫びが聞こえてきたら、最後の手段として逃げましょう。
即ち休職や退職を選ぶことです。
ただ、休職をするには、医師の診断書がいることが多いです。産業医に相談して書いてもらうか、心療内科を受診して診断書を書いてもらう必要があります。
退職するには退職願または退職届を出せば終わりです。自分で出しにくければ、今流行りの(?)退職代行サービスを利用してもいいですね。
とにかく、心が壊れても他人には分かりませんし、言ったところで理解されないことが多いです。
人によっては「そんなものは、気が弱いからだ。なっとらん。」とか「怠けているからだ。たるんどる。」「サボりたいからだろう。」など未だに心無いことを言う人もいます。
自分を守れるのは自分だけです。誰も助けてくれません。本当に心が壊れると完全に元に戻りません。その前に逃げましょう。心が元気になれば、次へ進む勇気が湧いてきます。それまでは心を休ませましょう。
「逃げるが勝ち」ですよ。
まとめ
「嫌なこと・嫌な仕事をして、嫌な会社に行って我慢して我慢して我慢した先に何があるの?」と言われれば、「何もないよね。」 そして、ずっと我慢が続くのです。
でも、「少しでもいい方向に向かえば。心の底から嫌なわけではない。お金も欲しいし。」と3ステップをやってみた。そしたら何とかなった。
それは、素晴らしいこと、凄いことです。これからも、嫌な事が起きても乗り越えれるでしょう。
しかし、何ともならず、辛い、苦しいといったネガティブな感情に支配され心が壊れるようなら「逃げること」です。壊れる前に逃げて心に元気を取り戻すことです。そうして再出発をしましょう。
動物は身の危険を感じると逃げますよね。それがライオンやチーターのような強い肉食獣でも。
人間も動物です。自分の身を守るためには、逃げていいんですよ。
私たちの人生は、逃げることも許される人生なんですよ。忘れないでください。